第4章 溺れる夜は…Monday
「なんかよく分かんないけど気になる、って感じだったんだ
それで、あの追試の日…智が教室に居るの見つけて、心躍ったよね!」
「あはは」
「智の後追っかけてってさ…声掛けて、雨が止むまでフリースペースで話したよね」
「目の前に居るのにラインしようなんて言うから、やっぱり変なヤツーって思ったけど…
雅紀の気遣いが嬉しかったよ、俺」
俺達の二年を
思い返すように
「それから仲良くなってさ…
智の事、少しづつ知れて…
お爺さんとお婆さんがいっぺんに亡くなっただろ、あの時、俺…
俺は何があっても智の側に居ようって
居るんだ、って
そう決めたんだ」
「雅紀…」
「多分…その頃には既にもう
智の事が好きだったんだろうな、俺」
「…」
「智は?
智はいつから、俺の事好きでいてくれたの?」
ずっと聞いてみたかった
智の気持ち
「気付いたのは…
雅紀が告白されてるのを見た時、かな…
でもそれよりずっと前に
自分では気付けなかったけど、雅紀のこと…
好き、だったんだと思う」
真っ直ぐに向けられた瞳には
俺だけが写っていて
「これからも…ずっと、俺だけを好きでいてくれる…?」
「うん…」
「智…好きだよ…
ホントに、好きだよ…
ずっと俺の側に居てね…」
智の言葉で
俺自身が安心したくて
たとえ口約束だったとしても
確かなものが欲しかった