第4章 溺れる夜は…Monday
「予想通りっちゃ予想通りだけど
やっぱ狭かったね…」
狭い浴室で体を洗い合って
シャンプーが目に入ったって智が騒いで
笑ったら智に水をかけられて俺が怒ったフリをして
それから
湯船にギュウギュウに浸かって
気持ちいいねって言いながら鼻歌なんか歌って
充分に温まってから
触れるだけのキスをして、俺達は風呂から上がった
風呂に入る、なんて当たり前の日常が
こんなに楽しくなるのは
やっぱり智とだから
智の事が、好きだから…
「夏は厳しいかもなぁ
でも、楽しかったからいいじゃん?
また一緒に入ろうね、智」
「うんっ…」
へへっと照れ笑いする智を抱きしめると
当たり前だけど、同じシャンプーの香りがして
愛おしくて
抱きしめる腕の力をギュッと強めた
「初めて会話した時のこと、智、覚えてる?」
「追試の時でしょ?
覚えてるよ
だってあの時、俺… 雅紀のこと、何だコイツ、って思ったんだもん」
「うわ、酷ぇ!」
「こっちは顔も知らないのに、雅紀は俺の名前知ってるしさ
俺、目立つタイプじゃないのになんでかなぁって」
「ふふっ、そうなんだ」
「ねぇ、なんで俺の名前知ってたの?
いつから知ってたの?」
「合同リクの時からだよ
いつか話してみたいなぁって、ずっと機会伺ってた」
「そんな前から?!
知らなかったよ…」
智が驚いた顔で
目を丸くして俺を見つめた