第4章 溺れる夜は…Monday
「寿司だ、寿司!
すっげー! 美味そう!!」
「はいはい、わかったから」
「早く食べよ! いっただきまーす!」
目の前の特上寿司を
本当に美味そうに食べてる智を見てほっこりする
「ほら、雅紀も遠慮しないで食べて、食べて!
食べないんなら俺、食べちゃうよ?」
「食う! 食うから!」
二人きりで向かい合って
嬉しそうな智の顔を見ながら寿司を食べて
…すっげぇ幸せだな…
この幸せが、ずっとずっと続けばいいのに…
「…雅紀?」
「…うん?」
「元気、ないの?」
「…いや、そんなことないよ!
美味いね、ここの寿司!」
こんなんじゃダメだな、俺
今を、楽しもう
そう決めたばかりじゃないか
「…これ食べたらさ、風呂、入ろうよ
すぐ沸かしてくるからさ
雅紀…」
「…うん?」
「一緒に、って…
狭いから嫌かな、」
「えっ…?」
「ごめん、俺、変なこと言った!
今のはナシ! 忘れて!」
「智」
きっと智も感じてる
俺の異変に気付き始めてる
「一緒に入ろっか
恋人の…特権だもんね?」
そうだ
そうだよ
自信持っていいんだ
「…ホントに? 嫌じゃないの?」
「嫌なわけ無いだろ?
俺は智の恋人なんだから」
「じゃあ俺、風呂入れてくるっ!」
まだ食べてる最中だってのに
スキップしそうな勢いで
智は風呂場へと駆けて行った