第4章 溺れる夜は…Monday
❦智 Side❦
駅のトイレで私服に着替え
いつもの待ち合わせ場所へと向かう途中で
ジーンズのポケットのスマホが震えた
「もしもし」
『智くん、今何処にいる?』
「もう駅にいるよ」
『わかった。10分位で着くよ
イイ子で待ってろよ?』
「んふふ。 早く来てね?」
電話を切るとそのまま電源を落とし
いつもの待ち合わせ場所の柱に凭れ掛かった
ここは毎週月曜日のこの時間の俺の特等席
流れて行く人や車を眺めていれば10分なんてあっという間だ
あっ。来た
車に歩み寄って助手席の窓から顔を覗かせると
“乗れよ”
顎で合図されたのを確認して車のドアを開けた
「待った?」
「ううん、全然」
助手席に乗り込むと、直ぐにシートベルトを着ける
“カチャッ”という音と共に車が走り出した
「ちゃんとイイ子にしてたか?」
「してたよ? だから…」
「ご褒美な?」
「うん。 んふふ」
「今日は智くんの好きな目隠しかな…」
「ん…楽しみ」
「やっぱり智くんは変態だよ」
「翔さんもね…」
街の中を颯爽と走り抜け
いつものあの場所へと辿り着く
「おっ…ラッキーだな、珍しくこの部屋空いてる」
「ホントだ
じゃあココ、入ろ?」
赤と黒の色調に
怪し気な器具の置かれたその部屋に決めた
中に入ると視覚からの刺激が凄い
「…期待してんの? もう反応してる」
翔さんが後ろから俺を抱きしめると
右手がそっと下半身へと下りていき
ジーンズの上から反応し始めてる俺のソコを弄った
「んふ… だって、この部屋…」
SM部屋だもん
期待しないわけ無いでしょ?