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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂


英語表記で書かれた洗濯機をなんとか回して
掃除を始めた
と言っても、ボタンを押しただけ


「お掃除ロボットですか、そうですか…」


やることが無い
潤くんの役に立ちたいのに…

結局時間までソファーで過ごして
かなり早目に家を出た







「高っ…!」


潤くんの会社のビルを見上げる
これ、何階まであるの?


「こんなとこで働いてんだ…凄いな、」


オシャレな造りの立派な自社ビル
IT関係って言ってたな
儲かってんだろーな…

俺なんて万年平社員だし
生活水準だって違うし
全然、潤くんと釣り合ってないよな…
ガックリと肩を落としていると


「何か御用でしょうか?」


後ろから声をかけられて
ビクンと身体が跳ねた



「え、と… こっ…ここの社員の方と待ち合わせをしてましてっ…!」


おかしいな、そろそろ来るはずなんだけどな、と
独り言を言いながらキョロキョロする演技なんかしてみる
絶対怪しまれてるよ
潤くん早く来ないかな…


「でしたら、宜しければロビーの方にどうぞ」

「そんな、結構ですからっ!」


参ったな
やっぱり斜向かいのレストランの方のビルで待ってればよかったよ…






「どちらに行かれるんですか! これから大事な会食が…!」

「付いてくるなって! 先約があるって言っただろ!」


声が聞こえて振り向くと
あ、潤くん!
と…その後ろに、もう一人


「お待ちください、社長!」


え? 社長…?
潤くん、ここの社長さんなの?!


「あっ! 雅紀さん!!」


爽やかな笑顔で潤くんが俺に手を振ると
それを見た、俺に声をかけてきた男の人が
深く頭を下げてその場を去って行った


「お待ち、くださ…」

「雅紀さん、行こっ!」


ゼェゼェ言いながら追いかけてきた初老の男性を振り切って
俺の手を取ると目の前の横断歩道を走り始めた


「後、宜しくー!」


歩行者信号が赤の点滅から青に変わる
潤くんてば、してやったりの悪い顔してるし…
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