第1章 かりそめの遊艶楼
❦和也Side❦
「鼻から息を吐いて… 長く、ゆっくり…
身体の力を抜くように…
そう…上手」
いつの間にか壷の中身を纏った藍姫様の指が
息を吐くそのリズムに合わせて
僕の後ろに少しづつ挿ってくる
「ほら、こうすれば痛みが少ないでしょう?」
「…っ、はい、」
凄い。
こんなにも違うものなのか
「身構えるとその分身体に力が入り負担がかかります
終始力を抜いていること
わかったね…?
それから、唇は噛んでしまわないように薄く開けておきなさい
その方が表情も淫らで殿方にも喜ばれる
一石二鳥ですよ」
そっと指を引き抜くと
藍姫様が僕の襦袢の紐を解く
中心をツー、と撫で上げ優しく包むと
僕を見つめたまま擦り始めた
「ぁ、ぁっ…」
「ほら、蜜が溢れてきた」
「やっ…!」
恥ずかしいのと気持ちいいのとで
つい身体を捩ってしまうと
背にピタリと寄り添って
後ろから抱きしめるように包み込んだ
「達したかったらつま先をピンと伸ばしてご覧なさい
そうでなければ力を抜いて、」
藍姫様の中心が腰に当たる
「藍姫様も…」
言われた通りに身体の力を抜き
くるりと身を返して横向きに向き合った
「ふふっ。可愛い子。
こうすれば…ね?」
僕の手を、触れ合った2つの中心に持ってきて
いっぺんに握り込ませ
その上に藍姫様が手を重ねる
「あぁ…藍姫様の…熱いっ…」
「和也も…」
緩々と上下すれば
なんとも気持ちが良くて
「はぁっ…んっ…」
「んっ…上手…」
一気に熱が上がって行くのを感じた
「あぁっ…ぁっ…もうっ…」
「和也、名前を…」
「藍姫様っ…」
「智、」
「さと、し…?」
「…っ、私の…名前です」
「智様…」
「あぁ…和也…お前って子は…」
触れ合う肌から伝わる鼓動が早くなる
「ぁ、ぁ、さとっ…智様ぁっ…!」
「和也…!ぁぁっ…!」
重ねた手の動きを早めればすぐに達してしまって
少し遅れて藍姫様も
僕の腹に白濁を飛ばした
「はぁっ…はぁっ…」
「ふふっ…とてもお上手でしたよ…?」
「本当ですか…? 良かった…」
藍姫様がティッシュに手を伸ばす
「僕がやりますっ…!」
「和也は休んでいていいから。ね?」
ニコリと微笑んで
僕の身体を綺麗に拭いてくれた