第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂
男同士のやり方は何となく知っていた
まさか自分がそれを経験するなんて
思ってもみなかったけど…
潤くんの身体がギュッと強張る
そりゃそうだよ
怖いに決まってる
だけど…
「優しくするから…
力抜ける…?」
出来るだけ、優しく
「うんっ…
雅紀さん、キスして…」
深く口づけながら
固く閉ざした入り口に指を沈める
「うあぁ…っ!」
こんなに綺麗な身体
傷付けるわけにいかない
潤くんの意識がなるべくキスに向くように
舌を絡ませるように追いかけながら
ゆっくり、少しずつ
指を進めていった
中ってこんななんだ…
そこは熱くて
押し返すように指をギュウギュウに締め付けてくる
ここに、俺のが…
ホントに入るのかな
潤くんと一つになれんのかな
「ぅぁぁっ… いっ…!」
「痛い?」
「苦しっ… はぁっ… はぁっ…」
こんな思いをしないと
男同士って繋がれないんだ
こんな綺麗な顔を歪ませてるのは
間違いなく俺だ
『相葉くんって自分勝手なエッチするのね』
去っていった元カノ達の最後の言葉が
ふと脳裏に浮かんで
根本まで挿入っていた人差し指を引き抜いた
「ごめん…」
「なん…で…?」
「ごめん、」
「僕が男だから?
やっぱり無理、って…」
「そうじゃない!
そうじゃないよ…」
「じゃあなんで…」
「潤くんを…失うのが怖いんだ…」
想いばかりが先行して
独りよがりになって
潤くんを失ってしまうのが
怖いんだよ…