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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂






「あーあ…飲みきっちゃった…」


潤くんが空になったグラスを
恨めしそうにかざし、眺めた
俺は焦って一気に飲み干しちゃったけど
潤くんはチビチビ飲んでたもんな…
それって時間稼ぎだったとか?
もしかして
眠るのが惜しいって
俺との時間を終わりにしたくないって思ってくれてた…?

でも…


「潤くん、そろそろ寝ないと明日の仕事に障るから、」

「…ですよね……」


テーブルを片し始めた潤くんが急に無言になる


「雅紀さん、今日はベッドで寝てくださいね?
僕がソファーで寝ますから」

「そんなのダメだよ!」

「いや、今夜も冷えるし、絶対ソファーじゃ寝かせられませんから」


優しいなぁ、潤くん
でもその優しさが
今の俺にはもどかしいよ


「俺だって潤くんを風邪引かせるわけにいかないよ
だから…一緒に寝ようよ」


言っちゃった!
言っちゃったよ!!


「へっ…?」

「嫌、かな…?」

「そんな、嫌だなんて…」

「じゃあ一緒に寝よう?
ほら、電気消して
寝室案内してくれる?」


俺は潤くんの手を引いた
ホントは心臓が飛び出そうな位緊張してるのに
平静を装って少しだけ強引にリビングを出た


「どこ?」

「こっち…」


案内された寝室に入ると
きれいにメイキングされた大きなベッドが一つ
もっと小さければ密着できたのに…なんて


「ほら、寝るよ?」


先に布団に入り、奥に詰めると
おずおずと遠慮気味に潤くんが入ってくる


「そんな端っこにいたら落ちちゃうよ?」

「や、でも、」

「もっとこっち来て?」

「…っ、やっぱ僕…!」

「ダメ」


布団から出ようとする潤くんの腕を掴んで引き寄せた


「わっ?!」


倒れ込んで来た潤くんを後ろから抱きしめると
ふわっと潤くんの香りがした


「雅紀さんっ、離し…」

「嫌だ。
潤くん、このまま聞いて?
俺…俺ね
潤くんが好きだよ」

「えっ…?!」


驚いて振り返った潤くんの顔が
間接照明のオレンジに浮かんで、綺麗だ

ホントにもう、止められない


「今日はそれを伝えたくて、ここに来たんだ」
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