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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂


窓枠に片手をついて
腰を引いた
どうかバレませんように…


「もうこんな時間だ…
寝酒、一杯だけ付き合ってもらえますか?」

「へっ?! あ、いいよ! 全然付き合っちゃう!」

「やった!
じゃあ用意してくるんで、雅紀さんは着替えてきちゃってください
クローゼット開けたとこのカゴの中にスウェットが入ってるんで、」

「オッケー、オッケー!」


潤くんがキッチンに向かってくれたおかげで
なんとかバレずに済んだ

もうっ!俺のバカ息子っ!


なんで反応しちゃうかなぁ…
潤くんはカッコイイし
優しいし
そりゃ、好きだけど
これって性的にも、ってことだよね…?

バレたらホント…警戒されちゃうよ
二度と家に入れてもらえないかもしれない
会えなくなるなんて、そんなの絶対嫌だ!

鎮まれ! 俺のバカ息子!


父ちゃんの女装姿を想像したらなんとか萎えたから
急いでスウェットに着替えた
潤くんはまだキッチンにいる


「何か作ってるの?」

「つまみを少しだけね」

「手伝うよ」

「じゃあコレ、グラスに注いでもらえますか?」


潤くんがポンポンと叩いたこの機械は…
ビールサーバーじゃん!


「昔居酒屋でバイトしてたから超得意だよ!」


丁度いい泡の量になる注ぎ方をマスターしてるもんね


「おっ!ホントだ! 上手!
こっちも出来ましたよ!」

「わっ! 美味しそう!!」

モッツァレラチーズとルッコラを生ハムで巻いて
シルバーのピックで留めてある
楊枝を使わないなんて
やっぱ庶民とは違う!


ソファーに並んで座って
グラスを傾けると
潤くんが俺を見つめた


「二人の再会に、乾杯」

「乾杯」


チン、と合わさるグラスの音が
俺の中のスイッチを押してしまった
もう、止まれないかも知れない…


「美味っ!
やっぱ、一人で飲むよりずっと美味いなぁ
あれ? 雅紀さん飲まないんですか?」

「飲むよ! 飲む、飲む!」


一気に煽ってグラスを空にする


「ココ、泡付いてる」


『キュートだなぁ』なんて茶化されてるけど
可愛いのは潤くんの方だからね?

男の俺、見せちゃうよ?!
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