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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂


聞けば、今日は6月19日だという
17日じゃないの?
なんであれから2日も経ったことになってんの?

確か、ベッドの上で目が覚めてから
飴屋に行くまでの所要時間は2時間ほど

…あ。

あっちでの2時間が
こっちでの2日、って事?


エレベーターを降りて部屋の前まで来ても尚
潤くんの左手は俺の腕を引いたままで
ドアが閉まると潤くんが俺の方に振り返って
視線がぶつかった

大きな瞳が潤んで見えるのは気のせいかな
その瞳に吸い込まれそうで胸がドキドキと煩い


「潤くん、俺…」

「とにかく上がってください
雅紀さん、寒いでしょ?
でも今日はちゃんとコート着てるんですね」

「あぁ、うん…」


そりゃそうだよ
万全の準備をしてここに来たんだから

潤くんに施されて
ソファーに座ると
温かい紅茶を出してくれた

「カモミールティーです」

「ありがとう…」


あっ、美味しい…


「そうだ
服、返そうと思って洗って持ってきたんだ」

「家に帰れたんですね」

「うん…」

「良かった」


なんで
なんでそんな悲しそうな顔…


「柔軟剤のいい匂いがする
洗濯してくれたんだ
わざわざ良かったのに…」

「うん、
その節はお世話になりました」


ペコリと頭を下げると
『他人行儀だなぁ』なんてまた悲しそうに微笑った


「僕、夕飯済ませてきちゃったんですけど
雅紀さんは?」

「あ、俺も食べたから、」


一緒にビーフシチュー食べたとこじゃん、と言おうとして口を噤んだ


「ちょっとシャワー浴びて着替えてきちゃいますね」

「うん、」

「また…居なくならないですよね…?」

「居なくならないよ
ちゃんと居るから」

「そっか…良かった」


さっきまでとは打って変わって柔らかな笑顔を見せてくれた潤くんに
何故だろう
キュンとしてしまったんだ

潤くんは男なのに
男、なのに…




この気持ちの理由に気付くのに
そう時間はかからなかった

シャワーを浴びてラフな部屋着に着替えてきた潤くんは
濡れた黒髪が色っぽくて

…嘘でしょ?

俺の愚息が
緩く勃ち始めてることに
気付いたから
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