第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂
とぼとぼリビングに戻ると、ソファ前のテーブルに美味しそうな料理が並んでいた
「うわ…超うまそう…」
「あ、相葉さん
丁度できたとこなんで座ってください」
「え…これ松本さんが作ったんですか?」
「はい、料理好きなんで
でも大したことないです
飾りつけはそれっぽく見せてますけど、簡単なものばっかですよ」
あははって笑う松本さんにつられて俺も笑う
落ち込んでた気持ちが一気に吹っ飛んでいった
それから料理をたらふくいただいて
後片付けを手伝いながら明日の話をした
「やっぱり聞いたことない町名ですね…
どうしましょう…どこら辺ってのが分からないと送るって言っても…」
「そうですよね……
あ!松本さん家に地図ありませんか?」
「地図……どこだっけな…」
皿洗いが終わって、手を拭いた松本さんがリビングから消える
すぐに地図を持って帰ってきた
「ありました!えーっと…あ、俺達は今ここです」
地図を広げ、松本さんが指差したところはやっぱ知らない町名で
でも道の感じが見覚えある…
じっくりそこを見ると……間違いない
ここはどっか違うとこなのかなって思ってたけど
違うとこなんかじゃなかった
ここは俺の住んでる町だ
「…なんで名前が違うんだ…」
「相葉さん?」
「あ…すみません
…明日、とりあえず今日居たとこまで連れてってもらえますか?」
「はい、いいですよ」
「…ありがとうございます」
今日は暗かったから…道がよく分かんなかったのかもしれない
長年住み慣れた町でそんなことあるのかって感じだけど…明るくなってから行ってみないとなんとも言えないな
就寝前、ベッドを進める松本さんに首を振り
俺はソファで目を閉じた