第3章 飴玉本舗✡摩訶不思議堂
浴槽の中のお湯がブクブクしだしす
これは…ジャグジー機能か
じゃあこっちは?
「わっ!?停電!?」
違う、俺が押したボタンが電気のスイッチだったんだ
『明日の天気は…』
「わぁ!?」
暗くて適当に触ったこれはテレビ機能
あーもう…一々驚いちゃって心臓バクバクだよぉ…
次…
そうボタンを押そうとしたらパッと電気が点いた
「あれ?…なん」
言い掛けたところで浴室の扉がバンッと開く
「相葉さん!どうしました!?」
「おわぁっ!?」
開いた扉から勢いよく松本さんが入ってきて
俺は驚きながらも反射的に下半身を隠した
「あっ……す、すみません!」
慌てて顔を逸らす松本さん
「い、いえ…こちらこそすみません
うるさかったですよね…」
「…うるさいっていうか…何かあったのかなって…」
「は…はは…」
こっちを向かないままの松本さんに、俺は自分がしていたことを話した
聞いた松本さんは肩を揺らして笑ってた
あーこいつばかなんだなって、思われたかな…
……だって、分かんないよ
こんな色々ついてんの…いじったことないもん
じゃあいじんなよって感じだけど…
お世話になりっぱなしもよくないと思った俺なりの気遣いだったわけで…
「はー…すみません笑って
そのままでいいんで、上がってください」
「……はい」
差し出されたバスタオルを受け取り
俺は上がって、松本さんは浴室を出ていった