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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第2章 バーチャルな君と僕


「僕も…聞いていいですか?」

「……うん」

「なんで、弟さんの写真を使ったんですか…?」

「……」


目を泳がせるサトシ君
聞いちゃいけないことだったかな

でも…気になってたんだ
なんでわざわざ…って


一呼吸置いて、サトシ君が話し始める


「…自分の顔を出すのが嫌だったわけじゃないんだ
言い訳に聞こえるかもしれないけど
変な写りの写メしか撮れなくて…
そんなの送って、もしやり取りが終わっちゃったりしたら嫌だったから…
卑怯な真似してほんとごめんね、」


早口で話されたけど
僕の耳はしっかりサトシ君の言葉を拾った

そういう理由だったんだ…

そっか
やり取りが終わっちゃったら嫌って…サトシ君も思ってくれてたんだ


「ごめんね…」

「いや…僕も、嘘ついてたので……」


でも…どんなのでもいいから、本当のサトシ君の写真を送ってほしかったな

女装した写真送っといて
こんなこと言える立場じゃないのは分かってるけど…


僕だって、終わらせたくなかった…

サトシ君、サトシ君…

もっと…繋がってたかったよ


「サト…シ君…」

「…うん?」

「最初は歌声に惹かれて…だけど、僕…」


…ごめん
言われたって困るだけだと思うけど

終わりだから言わせて



「サトシ君のことが………好き」



こんなにも…
どうしようもないくらい



「………だった」


「え…あっ、カズちゃ」




最後の言葉を切り捨てて、僕はサトシ君の前から逃げた

また逃げたんだ…
まさ君の時みたいに


もう会えない…ネットでも現実でも


繋がりはぷっつりと切れてしまった
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