第2章 バーチャルな君と僕
……納得したと思ってたのに
『…あー…はぁ…』
どんなに勉強に走っても
完全に消せるわけじゃなくて
もやもやして…何も解決しなかった
もうどうでもいいや、そんなことを呟きながら下校してた今日の帰り道
まさ君にいきなり、手を掴まれたんだ
『え…っちょ……なんだよっまさ君』
『来て』
『は?どこにだよ…』
『いいから』
嫌だって抵抗してるのにずりずり引っ張られて
どうしてなのか聞いても『来て』しか返してこなくて…
またどこかであの時みたいに強引にキスされるのかと思ったから
不安と、なぜかサトシ君の顔が浮かんできて…泣きそうだった
でも
『ここで待ってて』
そう緑地公園のトイレ近くに僕を残し
まさ君が走り去っていった数分後、戻ってきたまさ君に再び手を引かれて連れて来られた先に…
サトシ君は居て…
「…ん、おーい…具合悪い?」
「…え、っあ…大丈夫です」
僕の顔の前で片手をひらひら振っていたサトシ君にすみませんと謝ると、風で乱れた前髪を直しながら会話の続きをした
「メールの返事をしなかったのは
勉強に、夢中で…パソコン開いてなくて…
…サトシ君の……ショックもあって…」
まさ君もだけど、そこは伏せて
聞いたサトシ君はそっか…と乾いた笑い声を漏らしていた