第2章 バーチャルな君と僕
❦ 和也Side ❦
勉強しなきゃってことをすっかり忘れて
テンポよく、楽しく
サトくん…改めサトシ君と話してたのに
『じゃあ名前は秘密でもいいから、写メとか…』
なんて
突然、予想外過ぎるメールが届いて
「……え」
僕はそれを見た瞬間、固まってしまった
「………写メ…とか…」
画面に映るその文字から目が離せない
……写メって
写メってさ
僕の、だよね?
「……」
何言ってんの…誰に聞いてんの…
自分で呟いたことなのに自分で呆れた
「当たり前じゃん…」
サトシ君とメールしてるのは僕なんだから
僕の写メに決まってんじゃん
カズハの写メに、決まってんじゃんよ…
しっかりしろ、僕
「あーどうしよ……やばい…やーっばい…」
まじで、まじで…
どうする僕
「…カズハは、実は男でしたー……」
無理無理
言えるわけない、そんなこと
女の子って信じてるサトシ君に…今更過ぎる
だったら…だからどうすんだよ僕
このままずっと返信しないわけにも…
「あ、そうだ」
『サトシ君も写メ見せてくれるなら』
送信…と
見たいって要求しといて
自分のはちょっとって言う人、結構多いんだよね
これでサトシ君が断ってくれれば…