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びゅーてぃふる ❦ ふれぐらんす【気象系BL】

第2章 バーチャルな君と僕


❦ 和也Side ❦


「ただいまっ」


学校から帰宅すると
リビングにいるお母さんにそれだけ言って
自分の部屋へと行った


「動画、動画……サトくんの動画」


部屋の鍵を閉めながら繰り返し呟いて
机の脇にスクールバッグをドサッと置く

リクエスト曲がアップされてても、されてなくても
早くサトくんの声が聴きたくて
椅子に座ったと同時にパソコンを起動させた


「……あ…」


動画チャンネルに飛ぶと早速、新着動画の中にサトくんの動画があった

それは僕がリクエストした『今夜、君の声が聞きたい』の動画だった


「本当に歌ってくれたんだ…っ」


すごい嬉しくて

すかさず動画を再生した








……この世でただ一人のような
こんな毎日の裏側で生きてる
僕がまた眠れるまでうたってほしい……♪








動画が止まると
はぁ…と小さく息を吐いた


「……やっぱ、サトくんってすごい」


いくら声が高くても、男の人だから…難しいリクエストだったかなって思ってたのに…


「歌いこなせてるもんなぁ…」


地声と裏声をうまく使い分けて…
ビブラートも、本人に負けないくらい綺麗にかかってたし

練習とか、いっぱいしたのかなぁ…
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