第2章 バーチャルな君と僕
「どうしたのよ、智
もっと落ち着いて食べたら?」
「※△×%&+$… ゴフッ!」
「ちょ、兄貴! 汚ねぇ!」
カズハさん、見てくれたかな俺の返事…
またコメント来てるかな
一刻も早くコメント欄の確認をしたくて
「ご馳走さまっ!」
母さんのサバ味噌、ホントはもっと食べたかったけど
口の中の炊き込みご飯を麦茶で流し込んで
急いで席を立ち、階段を駆け上がった
コメントッ!
カズハさんからのコメントッ!
ドアを勢い良く開けて自分の部屋になだれ込むと
急いでパソコンを立ち上げる
きっ…
キタ ━━━━━━━━━━━━━━━!!!
僕の返事を見たカズハさんから
新たなコメントが入っていた
『サトくん
まさかお返事いただけるなんて夢みたいです
ありがとうございます!
リクエスト…もし可能なら
女性アーティストですが、柴田淳さんの
『今夜、君の声が聞きたい』をお願いします
楽しみにしています
カズハ』
柴田淳…??
どうしよう
全然知らないぞ…
取り敢えず僕は、柴田淳の『今夜、君の声が聞きたい』を検索した
「声、高くないか…?」
淡々と歌い上げるソレは
高く、伸びやかで…
こんなの、僕に歌えるんだろうか
でもカズハさんのリクエストだ
とにかく歌ってみるしかないっ!