第2章 バーチャルな君と僕
❦ 和也Side ❦
僕には秘密がある
それは親にも、友達にも
なんでも話してきた親友にも…言えないこと
…言えるわけない、こんなこと
同性愛者だなんて…言えるわけ、ないよ…
「ただいま」
「おかえりなさい…最近早いのね
晩御飯の準備これからなんだけど…」
「全然いいよ
宿題、あるし…ゆっくりやって?」
「…そう…?」
「うん」
リビングで寛ぐお母さんににっこり笑い掛けて
自分の部屋がある2階へ上がっていく
上がり切ってすぐ左が僕の部屋
そこに入って、後ろ手に鍵を掛けると
即、勉強机に置かれたノートパソコンを開き起動させる
「今日は晩御飯まで1時間弱ってとこかな…」
ブレザーとスクールバックをベッドの上に置いてから椅子に座り、ネットの検索ワードにいつもの文字を打ち込んだ
『動画投稿チャンネル』
僕は最近このサイトにハマってる
「おぉー…今日もいっぱい…」
くだらないものから傑作まで
色んな動画が1日に何万と投稿される動画チャンネル
たまたま見付けたものだったけど
見てみるとこれが中々面白くて…
高校から帰ってきたら、晩御飯ができるまで決まってそれを見るようになってた
「ふふ…何それ…」
面白い動画を見ながら笑うと
学校であったことなんて全部忘れる
何もかも…忘れられる