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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第20章 (番外編)ハロウィン


自宅マンションへ向かって歩きながら貰った紙袋を見つめた。

「どうしよう、これ。」

歩美ちゃんが2人に、と準備した猫耳カチューシャと悪魔の角。
もう使わないからと半ば無理やり持たされたのだが、私にだって使い道など無い。
かといって折角貰ったものを捨てるのも忍びない。
悩みながら歩いているといつの間にかマンションの前へ着いてしまっていた。
一先ず家に帰って考えようとエントランスに入ろうとした時、あるものが目に入った。
それを見てつい口角が上がる。
ありがとう歩美ちゃん、哀ちゃん、コナンくん。このプレゼント役に立ちそうだよ。





自宅の鍵を開ける前に頭に猫耳を装着する。一応、他の住人がいないかは念入りに確認した。万が一この状態を見られでもしたら恥ずかしくて引越を検討せざるを得ない。

よし、と気合を入れて鍵を回す。玄関に入ると静かに靴を脱いだ。
リビングのソファに人影があるのが扉のすりガラス越しに確認出来る。
そっとドアノブに手をかけた。



「トリックオアトリート!」

ガチャリと思い切りドアを開ける。
その勢いにドアのそばに立っていたウォッカが一歩後ずさった。サングラスのせいで表情は分かりにくいが恐らく驚いているのだろう、口が少しだけ開いている。

ソファに座っていたジンはこちらを一瞥すると軽く鼻で笑った。
「菓子なんて持ってねえぞ、それともこの俺に悪戯すんのか?」
「さくらさん、酔ってるんですかい?」

かあっと顔が赤くなる。冷静に考えてなんで恥ずかしいことをしたんだ私は!ああ、いっそお酒を飲んでくればよかった。これが素面だなんて知れたらきっと揶揄われるに違いない。
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