第20章 (番外編)ハロウィン
「あ、でもごめんね、家お菓子置いてなくて…。」
家の戸棚の中を思い出す。タイミングの悪いことに買い置きしていたビスケットは全て昨日食べきってしまったところだった。
「いいのよさくらさん、この子達仮装したいだけなんだから。」
元々日本の文化には無いものなんだから無視して、と言う哀ちゃんとそれに頷くコナンくん。
しかしその横の3人はあからさまにがっかりした表情をしている。
その顔を見ていると何ともいたたまれない気持ちになってきた。
「うーん、じゃあみんなで今からケーキでも食べに行こうか?私も今日休みで暇してたとこだし。」
「「「本当(ですか)!?」」」
やったーと喜ぶ3人に、準備するから待っててねと言って一度寝室へ引っ込んだ。
◻︎
「おいしー!」
「ポアロのケーキはどれも最高ですね。」
「うな重程じゃねえけどな。」
「元太くんいつもそればっかりー!」
美味しそうにケーキを頬張る3人を眺めるとこちらまで幸せそうな気持ちになってくる。
「なんだかごめんね、僕らまでご馳走してもらっちゃって。」
コナンくんと哀ちゃんは私の左右に腰掛けてコーヒーを口に運んでいた。
「いいのいいの、みんなといると楽しいしね。」
私も中央のお皿に盛られたクッキーに手を伸ばす。