第6章 [黒子のバスケ]出会いは突然*★青峰大輝★
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いつも通り空を眺める
変わらない風景
鳴り響くチャイムの音
退屈だったあの頃
変えてくれたのは友達と
あいつだった……
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「あ~…くそ眠い」
「大ちゃん!ダメだよ、もうすぐ部活始まるよ?」
いつもと同じ文句で呼び止められる
「…うるせぇ。少し寝たら帰るぞオレは」
「もう…知らないんだから!」
もう何回このやり取りしてんのか
さつきもお人好しだよな…
こんなヤツ放っておけば良いのに
バスケすんのが楽しかった頃の気持ちなんか
とっくに忘れてるっての
「つーか、そろそろウィンターカップか…」
そう言った声も、とっくに走って部活に行ったさつきには届いていない
ため息と廊下を歩く自分の足音だけが響いた
「ねぇ、屋上はそろそろ寒いかもよ?」
「……?!」
突然かけられた声に振り返る
そこに居たのは、
「んだよいきなり!ってお前……、なんかどっかで見た覚えがあるっつーか」
オレを見上げている顔をまじまじと見返す
あーそうだ。こいつ、この間屋上で寝床の取り合いした女だ
「お前っ、この間の!!」
「おぉ~!よくぞ思い出してくれました」
「んだよその言い方」
つーかこの女、何でこんなに馴れ馴れしいんだよ
「あ~、今“馴れ馴れしいなコイツ”とか思ったでしょ」
「用がねぇならさっさとどっか行けよ」
「嫌です」
うわ、うぜぇ…
なんか思い出しちまうな
中学ん時、黄色い頭のチャラチャラした奴と居る時も確かこんな感じだったっけ
「そんなあからさまに嫌そうな顔しないでよ~」
「で、他に言いたい事でもあんのかよ」
「じゃぁ一つだけ!あ~けど、ここじゃあれかな。青峰くんはどうせもう帰るんでしょ?」
「まぁな…」
「じゃぁ少し付き合ってよ」
「別にいいけどよ」
どうせ暇だし
何だか訳わかんねぇ
名前もまだ知らねぇ女と何やってんだオレは…
そう思いつつも、言われるがままその女の後を着いて行ったのはいいが……
───おいおい、何でよりによってここなんだよ!
「ちょっ、お前!ここどこだと思ってんだよ!!」
「え~?どこって、バスケ部の体育館だけど」