第4章 [黒子のバスケ]不器用な指先*°★緑間真太郎★
──緑間真太郎──
彼は変わり者だと周りは言う
確かにそうかも知れない。
けど私にとっては、それも彼の魅力で…
全部が大好きなんだ
初めて会った時から、私の心は彼の事でいっぱいになった。
“人事を尽くす”
彼の信念に追いつく為に、私も全てにおいて人事を尽くした
そして…────
「だから、いいと言っているのだよ。」
「ホント?!今いいって言った?」
「しつこいぞ」
そう言いながら、眼鏡を押し上げ、私から視線を外す仕草が可愛くて
心臓がドキドキして爆発しそう
やっと、この想いが通じた。
しかもOKもらえるなんて…
「やっばい…マジで嬉しくて死にそーなんだけど」
「この位で死ぬ訳がないだろう。」
「い…いや、ほら…例えて言うなら、って事だって!」
「例えば…か。そんなに嬉しいものなのか、、」
「うん!だって……って、やば。もうお昼休み終わっちゃう!えっとじゃぁ今日、部活終わったら一緒に帰らない?」
ちょっと急に無理言っちゃったかな?
けど相手は緑間君。
私から積極的に行動しないと、せっかく実ったこの関係が何も進展しそうに無い気がして…
だから、少し位欲張ってもいいよね?
「すまない。悪いが今日も部活の後に、高尾と居残り練習する予定があるのだが──」
「ゴメン!そうだよね、急に言われても困っちゃうよね…。また誘う事にする」
さすがに突然すぎて断られた…
当たり前だ。
毎日キツイ練習をしてる事は知ってたし、もちろんバスケ部の使ってる体育館の電気が、遅くまでついてる事も…
「じゃぁ私もう行くねっ!」
ちょっと気まずい雰囲気になりそうだったから、
この場から立ち去ろうと思って、
緑間君に背を向けた時───
「おい、!」
そう言って彼は私の腕を掴んだ
その手はとても熱く、緑間君の大切な左手を守る為のテーピング越しにも伝わってきた…
「まだ俺が話をしている途中なのだよ」
うわぁ…。駄目だ、、この展開は私の心臓がもたない