第15章 落陽の夢
座っていたベンチがギシリと音を立てた。
「え…?」
動いても居ないのに、なんでだろうと立ち上がろうとした瞬間、集中治療室の中が慌ただしく動いた。
「なんや…どうしたんや…」
義足を持ち上げ立ち上がると、ガラスの窓まで歩いて行く。
「あ…」
中を覗き込むと、相葉と松本のベッドの周りで医者と看護師がバタバタと動き回っている。
「城島…どうしたの…」
景子さんが俺の後ろに立った。
「わかりません…」
バタンと集中治療室のドアが開いて、看護師が顔を出した。
「相葉さんと松本さんのご家族はいらっしゃいますかっ…」
中から、煩いほどのアラート音が聴こえた