第8章 竜鳴
「この後は幹部会議ですね?」
「ああ…松本、おまえも出ろよ?」
「え?」
「アホ。おまえも幹部になるんだよ」
「俺が…?」
「俺の側近だろうが」
「は…はい…でも俺、組持ってませんが…」
「いいんだよ。お前は俺の側近なんだから」
戸惑う松本の胸をどついた。
「だから言ったろう。頼りにしてるって」
「総長…」
「ま、暫くの間だがな…」
城島の顔が曇った。
「まあ、そんな顔すんなや」
「総長…」
「俺には俺の考えがあるんだ…好きにやらせてくれや…」
スーツに着替えると、一遍に楽になる。
そのままタバコを吸っていたら、草彅と智也が戻ってきた。
「総長、ありがとうございました」
「ありがとうございました、親父」
「おう…これからしっかり頼むな…」
「はい」
「それから草彅には、小杉のシマ分けてもらうからな。事務所どっかに構えろや」
「ありがとうございます」
「金は喜多川で持つ」
「すいません…何から何まで…」
「いいって…その分、俺の手足になってもらうからよ。覚悟しろよ?」
「それはもう…腹括ってますよ」
「頼もしいな…」
口から紫煙を吐き出すと、タバコをもみ消す。
「お前ら早く着替えて飯食っちまえ」