第1章 The result of revenge～復讐の果てに～

｢ねぇアンタ。こんな所にいないでさぁ、もう中に入らない？オレ、疲れたんだけど？｣

｢うん。｣

こんな所で空を眺めてても、何も始まらない。私の全てはヴァンパイア、カールハインツに復讐する事。
その思いだけがいつも頭の中をぐるぐるしていて、狭いこの空間で生活するにはそれだけで十分だった。


シン君と別れ、私はそのまま自室へと戻りベッドの上へ横になり目を閉じる。


私の一族は始祖。
全ての魔族の原点、
圧倒的な力を持ち、魔界を総ていた...
そう。カールハインツ率いるヴァンパイアの一族が、始祖の一族を万魔殿に幽閉する前の話。

幽閉された始祖の一族は、やがて｟エンデツァイト｠とゆう死の病に侵され、1人...２人と...どんどん死に絶えてゆき、今では私と兄２人の３人だけになってしまった。


私の兄達は、始祖の王の息子。
始祖の一族が３人になってしまった今、始祖の王は、シン君のお兄さんである

カルラさん

とても威厳があって、強い。

シン君が憧れている様に、私もとても憧れている。
そんな３人だけの生活が、もうすぐ変わろうとしていた───────