The result of revenge [ディアラバ]
第1章 The result of revenge~復讐の果てに~
「あぁ...... 退屈。」
寒くも暑くもない。
いつもの様に、万魔殿のバルコニーで
空を見る。真っ黒な空
ここから外の世界は、どうなっているんだろう...
私には家族がいない。いつも一緒にいるのは、2人の兄。兄といっても本当の兄ではない。
両親は病で倒れ、幼い私だけがとり残された...
両親を亡くした悲しみからか、よく1人で泣いていたそうだ。
そんな私を見かねてなのか、何か理由が他にあったのか、本当の事は分からないが、本当の妹の様に接してくれた彼等
そんな彼等の存在があったから、私はなんとか心を病まずにいられている...そう思っている。
「おーい!」
大きく息を吸い、バルコニーの手すりに捕まりながら、珍しく大声で叫んでみた
別に誰かを呼ぶ訳でもないのに...
「そんな大声出して、どうしたんだよ?あんた。」
あまりにも大きな声に、何かあったのかと思ったのか、面倒くさそうにこちらへ来るのはシン君。
「あ、シン君か。別になんでもないよ!」
大声を出した事に今更恥ずかしくなる
「なんな訳?大声出したり、急に静かになったり、忙しすぎるでしょホント」
少しイライラした様子のシン君。
「忙しくなんかないよ、退屈なだけ。」
「あっそ。よく分かんないけど、勝手にすれば?」
そう言いながらも私の隣に立つシン君。
「ふふっ..」
何かあれば心配して来てくれるシン君は
言葉は乱暴だし、すぐイライラして怒るけど、
すごく優しい。シン君の、言葉とは裏腹な態度に、つい少し笑ってしまった。
「何笑ってんのさ?」
不機嫌そうなままこっちを向いた
「何でもないって!それよりさ、もうすぐココから出られるんだよね?」
「あぁ~、兄さんがしっかり準備してるよ。兄さんはそこら辺ぬかりないからね!」
さっきの不機嫌そうな表情から一変、キラキラした眼差しで自慢げに兄の話をする。
いつもお兄さんの話をする時のシン君はとても楽しそう。
シン君と話をしたせいか、心の中の曇りは少し薄れていた。