The result of revenge [ディアラバ]
第3章 First experience~初めての経験~
──夢をみた。まだ私が万魔殿にいた頃の話。
─────
「あぁ!!またやっちゃった!!」
ドサドサと本棚から本が落ちていく
部屋の壁には沢山の本。
少し高い所にある本を取るために、背伸びをし、本を引き抜いた瞬間、床中が本でいっぱいになった。
「...もう。何度も同じ事しちゃうなんて、本当私ってばダメなんだから...。」
自分が少し抜けている事には、薄々気が付いていたが、ダメ押しで自覚させられた。
「早く片さなきゃ、さっきの物音でシン君が来ちゃったら、絶対馬鹿にされるし、怒られる...」
散らかった床を眺めながら、シン君の呆れた顔が浮かび、少し可笑しくなった。
────バンッ!!
部屋のドアが開いた
「あーぁ!!また散らかしてんの?馬鹿過ぎるのもいい加減にしてよねホント」
やっぱり来てくれた。
「ごめんなさーい。」
自分のドジさには嫌気がさすが、このやり取りは好き。
「ぜんぜん反省してないねユウラ。」
「してるよ!!だってほら、段々散らかす本の数減ってるんだから!」
「...ハッ!なにその言い訳。それ、反省してる事になってないから!じゃぁ言うけどさ、兄さんにも同じ事言えんの?」
言える訳ないのに意地悪なシン君...
「絶対に...言えません!」
「はぁ...呆れた。兄さんの事になると、ユウラはいつもそうだよな。ったく、兄さんも兄さんだよ
───」
「ね、ねぇ、意地悪言ってないで、助けに来てくれたんだったら、一緒に片付けるの手伝ってよ!」
「はいはい。分かったよ。」
呆れながらも、
結局最後まで手伝ってくれた。
「終わったー!!シン君、ありがとう。助かりました!」
笑顔で言った
「あーあ、ホント疲れたよ!!」
そう言いながらシン君は、部屋の隅にあるソファに横になり、部屋の電気が眩しいのか、
片腕で顔を隠した
私は読みたかった本を手に取り、側にある机に座る。
「ねぇユウラ...。こっち来て読んだら?」
?!
「わ、分かった...。」
突然のシン君の言葉に、少し戸惑いながらも、私はシン君の側へ行った...