The result of revenge [ディアラバ]
第12章 What we want to protect~守りたいもの
なんて言ってやったらいい?
普段通りにからかってやるか?
ユウラの部屋に向かいながら無駄なことばかり考えた...
ホント、オレらしくない。
アイツのことになると、いつからか臆病になっていたんだ...
最後くらい素直に、オレの想い伝えたっていいよね?
ねぇ、兄さん...兄さんは言わないの?
たどり着いた部屋の前。
────?!
何かおかしい。
ユウラの気配が感じられない───
オレは居てもたってもいられず、すぐにドアを開けた...
そして目の前に広がったのは、誰も居ない空っぽの部屋だった。
「...どうなってんだよ...」
その光景を目の前に、ただ立ち尽くすしか他に出来る事は無かった。
いや、まさかそんな...ユウラのことだ、どっか他のトコにでも出歩いてるんじゃないの?
だけど、冷静になってやっと感じていた違和感は、現実のモノだった。
もう万魔殿からアイツの気配は感じない───
オレはすぐに兄さんの部屋へと向かった...
「兄さん!いるんでしょ?!...開けるよ!」
「いきなり何だ、そう大きな声を出すな。」
ドア越しに聴こえた兄さんの声
兄さんだって分かってるはずなのに、どうして冷静で居られるんだよ...
オレはドアを開けて、兄さんに対して怒りをぶつけた。
「ねぇ兄さん!ユウラが、もうどこにも居ないんだけど。兄さんも気が付いてるんでしょ?!何でそうやって平気で居られてるワケ?」
「......。」
窓際に立ち、窓の外を見ている後ろ姿...
オレの問い掛けに答えてはくれない。
「兄さんはいつもそうだ!!何でも一人で考えて、勝手に決めて。...どうして...どうしてオレに頼ってくれないんだよ...」
とてつもなく不愉快な思いが押し寄せてくる
不愉快で、こうして立っているのすらめんどくさい。
オレは兄さんのベッドへと腰掛け後ろに手をついて天井を見上げた
「...チッ、またそうやって全部自分の頭の中でだけで解決するんだ。兄さんはいつからそんなに───」
「黙れシン!!それ以上私にその様な戯れ言を口にするでない!私だって分かっている。今この時が本当に訪れた...そう後悔している。今になって、だ。」
「......兄さん...。」