The result of revenge [ディアラバ]
第11章 Lunar Eclipse~月蝕~epilogue
驚きと嬉しさで、一気に自分の身体が火照ったのを感じる。目を開けた時に、目の前にあるレイジさんの顔...そしてその赤紫の瞳。
まるで時が止まったかの様なそんな気がしてしまうほど、見つめられていて、抱き寄せられた腕の感触に身動きが取れない...
「い...いま....キスしましたか?」
目線は逸らさず、そのままの体勢で言った。すると、レイジさんはすぐに言葉を返した
「おや?口づけてはいけませんか?もう貴女は私のモノなのです。好きな様に躾、永遠に私の言う事にただ従えば良いのです。ほら...もう一度、今度はユウラからしなさい...」
「私から...ですか?!」
「そうです。もちろん、して頂かないとどうなるか...ユウラならお分かりでしょう?」
そう言いながらさっきよりも強く抱き寄せられる
「......んっ...」
私は軽く口ずけた。
するとレイジさんは少し微笑みながら言った
「...ま、今はこれ位で許して差し上げましょうか。まだ話さなければならない事がありますからね...」
「もしかして、私の兄達の事...ですか?」
「ええ。そうです...」
すると、私を抱く手を緩めまた正面を向いた
もちろん始祖の兄達の話はまだ詳しくしていない...
カールハインツの手によって、万魔殿に幽閉されていた兄達が、今日この月蝕の時に脱出する計画を私がバラしてしまったから。
カールハインツの息子であるレイジさんにとっては、聞き流せない情報なのだろう...
私は聞かれるがままレイジさんの問い掛けに対して答えていった
もちろん、脱出すると行っても内容はさっぱり分からなかったし、何しろ私がカルラさんから言われたのは、〝逆巻家の元へ行け〟だったから...
私がそれを伝えると、レイジさんの表情が濁った。
「そうだったのですね...分かりました。全て繋がりましたよ...全てはお父上のお考え通りだったと言う事ですね。」
「それはいったい───」
「いえ...今の貴女には理解し難いと思いますので、時が来たら教えて差し上げますよ...」
その言葉に何かきっと深い意味があるのだという事だけは分かった。
けれど、今私の中で支配していたのは、他でもないレイジさんと想いが通じ合ったという事実。