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The result of revenge [ディアラバ]

第11章 Lunar Eclipse~月蝕~epilogue




自分が〝始祖〟であった事を告げた後のレイジさんは動揺すらしなかったが、むしろ動揺しなかった事で、この先に何を言われるのか、全く予想出来なくなっていた。

月蝕は更に進むも、研ぎ澄まされた感覚も、自分の恋心までどうにかなるはずも無く、ただレイジさんの声に耳を傾けるしか無かった...

「ずいぶんと前の事ですが、お父上の書物庫で、とある本を読んだのです...そこには、魔界の全ての種族の原点である〝始祖〟の存在の事が書かれていました。私は信じなかった訳ではありませんが、その時にはもう既に始祖の一族が幽閉されていたのでしょう...。まさか未だに存在していたとは、ね。そしてそれがユウラ...貴女だったなんて。」

そう話すレイジさんに、私から何も言う事が思いつかない...。
レイジさんの言う通りであって、少しため息混じりに話していたせいか、私を受け入れてくれないのでは無いかと、不安にすらなっている...

「それで、貴女は私達ヴァンパイアの一族を憎み、恨んでいた...そうですよね?」

「......はい。」
私は俯いたまま顔を上げることが出来ない...

「全く貴女という人は...。そこまではっきりと返事をされては、さすがの私でも言葉に詰まりますね...」

レイジさんはそう言うと、少し間を置いた。


「しかし、今私は〝恨んでいた〟と、過去形にして質問したのですが...今ユウラはどうお考えなのですか?」

そう...。それを、今から答えなければならない...


私は最初自分がどう思っていたか...
動揺し、混乱し、屈辱を味わいながらも葛藤の中で、レイジさんや、他の兄弟達と関わっていく内に、次第に始祖では無くなった〝自分〟という存在を、新しく作ってきた...

──存在意義──

を、見つけた...と。
そう伝えた......

「わかりました。貴女がどれだけ苦しんだのか、私には全て理解する事は出来ませんが、少なからず今は私達ヴァンパイアの事を憎んではいないと、そう捉えても良いのですね。」

「はい。そうです...それは、やっぱり私の中にあるレイジさんの存在がとても大きかったからなんです...」

私はそう答えながら、ここからは〝恋〟の話になっていくのだと、そう思っていた────



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