The result of revenge [ディアラバ]
第11章 Lunar Eclipse~月蝕~epilogue
そのまま次第に遠ざかる城を、何度か振り返っては後ろに見ながら、やがてたどり着いたのは...
─見渡す限り一面に花が咲き誇る場所─
「さ、着きましたよ。ここならかろうじてお父上の結界の中ですので、危険は少ないでしょう」
そう言って立ち止まり私の方へと振り返った
真っ赤な月が半分欠け始めていて、次第に辺りは暗くなる...少し前にいたレイジさんが振り返った姿が、私の目に焼きついて離れない。
彼の立ち姿が、この景色がよりいっそう美しく見せる...
それと同時に、月蝕が本格的に始まっている事で、私の中にとめどなく溢れ出す、研ぎ澄まされる感覚...
まるでレイジさんの考えている事が全て分かるような...
私は、振り返ったレイジさんへと駆け寄り、彼の顔を見上げるようにして、真実を打ち明けると決心し話し始めた...
「レイジさん、私──」
「ユウラ、待ちなさい。」
「えっ?...どうしたんですか?」
「私はまだ話しても良いとは言っていません。」
「まぁそうですけど、一応私が誘ったんですし、私から話した方がいいのかなって...」
「これから貴女が言う大事な話を、この私が立ったままで話を聞けと、ユウラはそう言うのですか?」
少し煽る様なそんな視線を私に落としながら、眼鏡を押し上げ言い返されると、何も言い返せない。
「何も言い返さない、という事は...理解して頂けたと捉えても良いですね?」
「はい...。」
先走って焦ってしまった自分を、少し悔やんで下を向いた
するとレイジさんは、少し先に見えたベンチを指差して、『あそこなら調度良いでしょう』と言って、ベンチへと向かった────
ベンチへと座り、そわそわしていると...
「では、聞くとしましょうか。貴女の真実と、その胸の内を...。私から話を遮る様な事はしませんので、どうぞ好きな様に話しなさい。」
「ありがとうございます。レイジさん...私が話し終えたら、レイジさんの言ってた大切な話を聞かせて貰えますか?」
私はそう言いながら、レイジさんの方へと顔を向け、その表情を確認しようとする
「ええ。もちろん、全て知った上での私からの話ですので、そちらの方は心配する事はありませんよ。」