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The result of revenge [ディアラバ]

第10章 Lunar Eclipse~月蝕~prologue




「ほら...いつまでその様なだらしない顔をしいるのです。もう直しましたよ...」
そう言って少し離れたレイジさん

「ありがとうございます!」

...私、そんなにだらしない顔をしていたのかな...
けど、何だか否定出来ない様な気もする。
大好きな彼が目の前にいるのだから、それは必然的な事なのだろう...

「もう行きますか?」

「そうですね、少し早いですがユウラが寝坊したおかげで、紅茶を飲む余裕は無さそうですし。」

高ぶってる私とは正反対で、少し不満げなレイジさんは、そう言いながらドアの方へと向き直り、『よそ見せずに、しっかり付いて来なさい。いいですね』と言って歩き出した...

こうして、レイジさんの背中を見つめながら歩くのは何度目だろうか...永遠の時を生きる私達種族は、時間の感覚を意識する事はあまり無い。
けれど、こうして逆巻家に住む様になってからは、半分人間になった事も理由の一つだろう...

時の流れを意識してしまう───

このまま時が止まれば良いのに...なんて、ふざけた事を思ってしまったり。
やっぱり、これが恋なんだろうな...

黙ったまま歩く彼の後ろ姿、少し近づくと香る落ち着く匂い...



しばらく屋敷内を歩いていると、地下通路へと降りてきていた。
薄暗く、とても変な感じのする場所...
それは魔界が近いと直感で感じ取らせた。

通路をしばらく歩いた先にあったのは、見るからに重そうな、まさに重厚な扉

「さぁ...付きましたよ。この扉の先が魔界へと通じる道です。いいですか?何があっても私から決して離れてはいけません。...一応、私が用意したこちらの香水をかけてから行きましょうか。」

レイジさんはおもむろにジャケットの内ポケットから小さな小瓶を取り出した

「香水...ですか?」

「ええ。そうです、貴女は一応人間なのですから、これから魔界へ行くというのに、そんな異様な匂いを発していては、まともに歩けませんからね...」

「あ...ありがとうございます。」

私がそう言うと、レイジさんは私に向けて香水を吹きかけてくれた...
それは、なんとも例え難い香りで、私は少し顔をしかめてしまう

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