The result of revenge [ディアラバ]
第10章 Lunar Eclipse~月蝕~prologue
私は、レイジさんが話し出してから、すぐに彼の方へと顔を向けてしまった。
けれど、ほんの少しの間だけ、頭から離れなかったスバル君の表情...
レイジさんが、皆へ説明をしている間に、私は思った。私の真実をレイジさんの次に打ち明けるのは、スバル君にしよう...
そしてその後、他の皆に話そう。
と、自分の中での優先順位が決まったのは、
そう...他でもないスバル君が、私の背中を押してくれた事が大きいのだけれど、それ以上に、他の兄弟達には抱いたことの無い感情が、私の中にあったから。
私がそんな事を考えているうちに、淡々と話は進んでいて...
レイジさんの話を、最初はいちいち文句を付けていた彼等だけれど、きっと話し方が上手いのだろう...次第に黙り込んでいった。
私はただレイジさんの声に耳を傾けていた
すると、まだ話途中だと言うのに、後ろに感じていたシュウさんの気配が無くなったのを感じた。
多分、シュウさんの事だから...
最後まで聞かなくても全てを理解したんだろう
もしくは、本当に興味が無くなったからか...
それはシュウさんにしか分からない事だけれど。
それとほぼ同時に気配が消えていたのが、スバル君...
スバル君はもちろん少し内容を知っているから。
そして、ひとしきり話し終えたレイジさん
「───と、言う事ですので、明日私と彼女は魔界に行きます。」
「ふふ...。途中の話は退屈だったので寝ていましたけど、最終的にユウラさんは、レイジを選んだって事ですね?」
笑っているのか、怒っているのか...
話してる最中に声質が変わっていく。するとカナト君の質問を遮るかの様に話し出したのはライト君
「まぁ、そうゆうコト...だよね♪...ねぇ、ユウラちゃん?今ならこの僕に乗り換えちゃってもいいんだけどねー。んふ♪」
この兄弟達は、さっきのレイジさんの説明を聞いていたのか、いなかったのか...全く呆れかえらずにはいられない
「んでもよ、月蝕期に入ると、こっちの下界と違って魔界は長いんだよな?レイジとコイツだけで大丈夫なのかよ?」
「おや、珍しい事もあるものですねぇ。アヤトがそんな事を心配するなどとは」
アヤト君の事を、少しからかっている様にも見えるその表情...
どこか楽しそうな気がして少し微笑ましい。
