The result of revenge [ディアラバ]
第10章 Lunar Eclipse~月蝕~prologue
「...で?ユウラ、あんたは何者なわけ?」
「し、シュウさんまで...そう聞くんですね...。」
どうせ私が答えても、『あっそ』とか『めんどくさ』とかしか言わないくせに...。と、思った事は口には出さずにいよう。一瞬にしてそんな風に思考が回ったのは、自分でも意外だった...
「なんだよ、シュウが興味示すとか、何の話だよ...ユウラ!オレ様にも説明しやがれ!」
アヤト君はその場で、私達の方へ身体を向けしゃがみ込んだ
レイジさんはその後ろに、相変わらず立ったままでいる。
冷静にしているのは、私がまだ皆には真実を話さないと確信しているからなのだろうか...
「アヤト君、さっきも他の皆にも話したんだけど、今はまだ言えなくて──」
「あぁ!?オマエ、オレ様は今すぐ説明しろって言ったんだぜ?聞こえなかったのか?」
相変わらず自分本位なんだから...
「私まだ最後まで喋ってないよ、アヤト君...。」
「じゃぁなんだよ」
珍しく、素直に聞いてくれるんだ。
そう思った私は、しっかり答えの続きを話す
「今はまだ言えないんだけど、私...やらなきゃいけない事があってね...それが全部終わったら、ちゃんと皆に話するつもりでいるから、だからそれまで待っていて欲しいんだ。」
「チッ...んだよそれ、訳わかんねぇ。ま、でも他の奴らもそれで納得してるみてぇだし?たまにはオマエの言う事にしたがってやってもいいぜ...」
そう言って、しゃがみ込んだまま俯いたアヤト君。
「ってゆうかさ、ボク思ったんだけど~、さっきからレイジが黙ったままで居るなんて、珍しくないかな?」
「...確かにそうですね。レイジはもう彼女が何者なのか、知ってるんですか?」
「そうだよ。いちいちうるせぇシチサンメガネが黙ってるなんて気持ち悪ぃったらねぇぜ」
私は皆が一斉にレイジさんに話し掛けているから、皆の方へとキョロキョロ顔を向けていた...
その時にチラッと見えたスバル君は、少し唇を噛み締めているように見えた...
「はいはい。いちいち煩いのは貴方方も同じだと思うのですがね...ま、今はその事は置いておきましょうか。───」
と、そのまま簡潔に私とレイジさんの中で交わされた約束を皆に説明を始めた。