The result of revenge [ディアラバ]
第10章 Lunar Eclipse~月蝕~prologue
「はぁ...。またうるさいのが増えましたね。僕が話してる途中で...あぁ、イライラします。」
テディを強く抱きしめながら、少し顔が強ばるカナト君をよそに、真っ先にアヤト君のさっきの発言に突っ込みを入れたのは、スバル君...
「つーかアヤト、テメェ今さっき『バカみてぇに』とか言いやがったな?少なくとも、オレはバカじゃねぇ!!」
「ちょっとスバル君?今のは、さすがのこのボクでも聞き捨てならないなぁ~。ボクの方がスバル君よりは、バカじゃないと思うんだけど?...んふ♪」
そう言いながら、ライト君は、スバル君の方へと振り返り、今にも言い合いが始まりそう。
アヤト君は相変わらず、そんな私達を見ながら笑ってるし...
どうしよう。収集がつかなくなりそうだよ...
レイジさんがこの騒ぎに気が付いてくれると良いんだけど、さすがにそれは無理かな...。
「ちょっとアヤト君てば!そんな所で笑っていないで、何とかフォローしてよ...」
とにかくこの場をこれ以上荒れない様にと、私は必死にアヤト君に問いかける
「ククッ...オマエ言うようになったな。いい度胸だぜ...」
立ち止まっていた足をこちらの方へと向けて、歩いてくる
そんな変な事言ったつもりはないんだけど、アヤト君は相変わらずなんだな...
私が嫌がる事を考えているであろう表情をしている。
アヤト君が何かを言いかけた時───
「おや?」
私の耳に真っ先に入ってきたその声は、一瞬にして私の心をギュッと締め付けた
「貴方達、一体そんな所で集まって何をしているのです?」
姿勢正しく立ち、眼鏡に添えられた手...
ライト君やスバル君、アヤト君が何かを喋っていたけれど、私の耳には何も入ってこない。すると、
「ククッ...ユウラ、レイジに見とれすぎだろ」
と、他の兄弟達には無い威圧感のある声にハッとした
「シュウ!貴方いつから居たのです!」
一番最初に反応したのは、他でもないレイジさん。
「いつからって...んな事どうでもいいだろ」
階段の一番上の段に寝そべって喋っている
話に入ってきた癖に、最後まで会話をしようとしないその姿勢に呆れかえっているのは、私だけで...
他の皆は、いたって平然としている。
けれど、シュウさんが現れた事によって、その場の空気が変わったのは確かで...
