The result of revenge [ディアラバ]
第10章 Lunar Eclipse~月蝕~prologue
「違うよカナト君、偶然ボクがユウラちゃんを見つけたから、ちょーっと遊んであげようかなって思ってたトコロ♪」
「そうですか。ならいいんですけどね...乗り換えてたのがライトなら、僕は二人共蝋人形にする所でしたよ。ふふ...」
一応これは落ち着いたって事でいいのかな...
掴み所のないカナト君...マイペースで、まともに向き合ったら、飲み込まれそうだと毎回感じてしまう。
「蝋人形って...カナト君てば少し悪趣味なんじゃな~い?」
「...っ、ライトにだけは言われたくありません。ね...テディ?」
「私からしたら、二人共悪趣味だと思うけど...」
つい本音が漏れる
思った事がつい口に出てしまうのも、影響を受けているからなのかな...
それに、この組み合わせで会話が成り立っているのも、ヴァンパイアの彼等もまた、明日に迫った月蝕に、強く影響されているからだろう。
以前よりも強くそう感じる
「はぁ?...今君、何て言ったんですか?」
「もう、ユウラちゃんからそんな言葉が聞ける日が来るなんて...イガイだね!」
「わ、私だって思った事口にする時だってあるよ!」
「そうですか。ふふ...面白いですね。」
カナト君は少し微笑んで、私とライト君の目の前まで来ると、続けて言った
「ライト、そこ邪魔ですよ。どいてください...ユウラさんの隣に座るのは僕とテディです。」
「えー。嫌だねーどかない♪」
「どいて下さいと言っているんです。」
「分かった!分かったから、揉めないで?私が少し動けば、反対側に座れるでしょ?」
そう言いながら、無理やりライト君の方へと腰を動かす
「んーもう!分かったよ。キミがそこまで言うなら、ボクも少し動いてあげてもいいよ」
ライト君が空気を読むなんて...
驚いていたのは、私だけじゃなく、チラっと見たカナト君も少し意外そうな表情を浮かべていた。
そのまま私を挟むようにして、階段に座り込んだ...
なんとも異様な光景だろう
レイジさんに見られたら、絶対に笑われる...もしくは、呆れられちゃうかな?
そんな事を考えていると、先に話し出したのはカナト君だった...
「......ユウラさん...。君から香る匂いが、いつもと違うように感じるのは僕の気のせいですか?」
