第1章 バレンタインデー
狼「別に消したつもりはねぇけどな。そのきらきらした包み何だ?」
鹿「穂花ちゃんがみんなにって作ってきてくれたバレンタインデーのチョコだよ。ただその、数が一個足りなくて…」
穂花「狼谷くんは甘いもの好きじゃないし別にいらないんじゃないかな〜って話してたの。実際そうだよね?」
狼「………。ああ、そーだな。別にチョコはいらねえ」
穂花「だよね!よかった〜って、痛っ!ちょ、腕掴まないで」
狼「その代わりお前もらうわ」
穂花「はい?」
狼「チョコねーんだろ?俺だけ何もねえのは不公平だろーが。もらってやるからてめえを寄越せよ」
穂花「は!?いや意味わかんな……ぎゃっ!ちょ、ちょっと!離して!!」
狼「30分で戻るからその間部活のこと頼むわ、鹿島」
鹿「あ、ああ、うん……俵担ぎは危ないよ、狼谷」
狼「落とさねーから安心しろ」
穂花「狼谷くんまって落ち着いて!!あっ、チロル!ポケットにチロルチョコ入ってた!ほらこれあげるから!」
狼「だからチョコはいらねえって」
穂花「ええええ」
狼「欲しかったのはずっとお前だけだ」
穂花「!?」