第7章 お泊まり
カラ松「、明日うちに泊まりに来ないか?」
カラ松くんがそんなことを言い出したのは、木曜日の放課後。一緒に家に帰っている最中だった。
「泊まりに……?」
カラ松「ああ。あさっては土曜で学校が休みだし……それに、父さんと母さんに、のことちゃんと紹介したいんだ……」
そう言って、カラ松くんは、照れくさそうにわたしから目をそらした。
「紹介、って……小父さんと小母さんには何度もご挨拶してるじゃない」
カラ松「そうじゃなくて……その……が俺の彼女になってからは、一度も会ってないだろ? ちゃんと、俺の彼女って紹介したいんだ」
「えっ……!」
……カラ松くん、ちゃんとそんなことまで考えてくれてたんだ。
どうしよう、嬉しい……
しかし。
不意に、自分がおそ松くんや一松くん、トド松くんと身体の関係を結んでしまったことを思い出し、気持ちがふっと沈んだ。
わたしは、カラ松くんにそこまでしてもらえる価値のある女なんだろうか。
カラ松「……だめ、かな?」
「ダメじゃないよ……むしろ、嬉しい」
そう答えるしかなかった。
カラ松「っ……そうか! よかった!」
嬉しそうに笑うカラ松くんを見て、ますます罪悪感がこみあげてくる。
もし、ここで、彼に全部話してしまったらどうなるんだろう。
でも、そんなことをすれば、わたしとカラ松くんは今までどおりにはいかなくなる。
それに、カラ松くんだって兄弟と上手くいかなくなる……
わたしは、いつも仲良しでわいわいしている6つ子が大好きだ。
それを、わたしのせいで壊したくはない。
「うん、楽しみにしてるね」
わたしは、無理矢理な笑顔を顔に貼り付けた。