第2章 カラ松くんとわたし
カラ松「…好きだ。のことが」
呼び出されてやって来た屋上。
そこいた彼は、わたしの目をまっすぐに見据えて、そう言った。
カラ松くんとわたしは、1年生のころ同じクラスだった。
わたしは、初め、カラ松くんのことを『ななめ前の席のクラスメイト』としてしか認識しておらず、話したことすらなかった。
しかし、とある事件――わたしが男子生徒に輪姦されかけたところをカラ松くんに助けられてから、わたしはカラ松くんのことが気になり始め、気がついたときには恋に落ちていた。
けれども、カラ松くんは、女子生徒から絶大な人気があったため、近づくことすら困難で……
どうしてもカラ松くんと仲良くなりたかったわたしは、それからすぐに、カラ松くんと同じ演劇部に入部した。
わたしにとってはかなり勇気のいる行動だったが、その甲斐もあって、わたしは、カラ松くんと仲良くなれた。
それから半年。
季節は、暦の上では冬になっていた。
カラ松「の返事を、聞かせてくれないか…?」
まさか、カラ松くんもわたしのことが好きだったなんて……
こんなこと、あって良いのだろうか?
夢みたいだ……
だって、カラ松くんは、みんなの憧れの的で…
わたしなんかよりもずっと可愛くてずっとスタイルのいい女の子たちからも言いよられていて…
それなのに、わたしを選んでくれるなんて。
正直、一緒にいられるだけでいいと思っていたのに。
「カラ松くん……っ」
気付けば、わたしの目からは、大粒の涙が溢れ出していた。