第2章 カラ松くんとわたし
と、とりあえず、服を着よう……
なるべく音をたてないように、制服のブラウスに袖を通す。
なんだか、ドキドキする……
まるで、泥棒に入っているみたいな気分。
それにしても、おそ松くんと一松くん、静かだ。
話し声もしなければ、着替えをしている気配もない。
どうしたんだろう……
わたしは、襖を少しだけ開けてその隙間から2人の様子を見ようと、押し入れの襖に手を伸ばした。
そのときだった。
手を伸ばした瞬間、襖が、外側から勢いよく開けられた。
「えッ……?」
伸ばした手が、空を切る。
見上げると、襖の向こう側には、おそ松くんと一松くんが立っていた。
2人は、わたしの姿を見るなり、目を細め、
「「みぃーつけた」」
楽しそうに笑った。