第2章 裏切り者の始まり
「駄目だよ、渡して…、ね?」
うわぁっ、どうしよ、めちゃくちゃな空気になっちゃった…
私は余裕がないこと考えていたら、チョロ松くんが急にばっと私の方に身を寄越したかと思うと、
力ずくで私の手の中のカッターを奪い取った。
「!?」
チョロ松くんの手に、カッターは刺さってしまい、チョロ松くんのアカが目の中に映る。
「ど、どうしよう…。」
私がやったんだよね…これ…。
「いったっ…」
私は急いでチョロ松くんの手からカッターを抜いた
「チョロ松く…ごめんなさいっ」
私の心臓はバクバクと鳴り止まなかった。
浅はかな考えが…。
チョロ松くんを…
「これでもう、自傷やめてくれる?」
チョロ松くんは平気って顔で笑ってくれた。
私は勿論、と力強く頷いた。
本当は自傷、してないけど。
今はどうでもよかった。
チョロ松くんに対しての罪悪感しか残っていなかったから。