第2章 裏切り者の始まり
「な、何してるの…?」
「えっと、これは、その…」
引かれる!絶対引かれる!
いい歳した大人がこんなことして遊んで快感〜♪とか言っておちゃらけてたなんて、
誰であろうと、絶対ひくよ…っ!!
「やっ、やめてなよ!リスカなんてして、いいことなんてないよっ!
ほら、カッターこっちに渡して、ね?」
あ、あれ?
チョロ松くんは私の顔色を伺いながら、こっちにだんだん近づいきた。
「あの、その、」
「ごめんね、急にこんなところ…馴染める訳ない、よね…
ストレスくらい、溜まるよね…」
う、あぁ…。違うんだけど…
今更つっこめない。
もういっそ、自傷してたってゆー設定で、いこうか…?
そうしよう!
「ち、近寄らないで!
チョロ松くんまで切っちゃいそー…」
私は刃をさっとチョロ松くんにむけた。
チョロ松くんはビクッと体を揺らしたが、心は揺らさなかった。
何考えてるの?この人。