第2章 裏切り者の始まり
「おーい、ドンって音聞こえたけど、お前ら何して……え?」
おそ松くんが立っていて、目を丸くしてる。
この状況に、ビックリしてるの?
何て言おう?ビックリストカット〜なんつって…とか?
こんな時に何考えているの、私は。誤魔化さなきゃ。
おそ松くんの次に「何々?」とカラ松くん、一松くんがやってきた。
2人もこの状況に驚きを隠せないようで、一瞬にして私を見る目が変わった。
そりゃ、そうだよね。チョロ松くんの手から血が出ていて、
血のついたカッターはチョロ松くんのほうを向いている。
そのカッターを握っているのは、私で。
私自身が動揺の顔を見せているのだから…。
「ち、ちがっ、これは…その…」
私も自分に対しての驚きが隠せず、誰が見ても察するように動揺しているから。
そうでしょ?
ああ。
崩れてゆく