第3章 違うの?何が?
「まず、こっち見て立ったら?」
1番ムリ。
一松くんのほうなんて見たくないし、目を合わせずらいし、腰抜けちゃって立てないし。
もう、本当になんなの!この体は!
意味分かんない…。私はこんな状態って知ってるなら一松くんが私に合わせてよね。
こういうところ、本気で嫌い。
「一松、くん。私で…遊んでるんでしょ…。
どっか、行ってよ…。」
私が発言した瞬間、一松くんは私の肩を思いっきり掴み、自分のほうに向けた。
おかげで一松くんとばっちり目が合う。
私はとっさに下を向いた。
「そんなに俺が嫌い?」
私はびっくりした。一松くんの声のトーンに違いがあったから。
そのトーンはいつもの暗いトーンでもなく、意地悪なトーンでもなく、
弱々しい声だったから。