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いろはに鬼と ちりぬるを【鬼滅の刃】

第37章 遊郭へ



 雛鶴の無事を確保した後は、残る二人の妻と蛍、善逸の無事の確認。更には鬼の居所を突き止めること。
 そこに運良く異能帯と地下で激闘を始めた伊之助の僅かな戦闘音を聞き取り、地下へと通じる穴を爆破した。
 爆風と共に穴の中に降り立った天元は一瞬で状況を把握し、瞬く間に全てを終わらせていた。
 異能帯に向けた殺意は一瞬。それよりも長く労いと安心を向けたのはまきをと須磨に対して。
 ぎゃんぎゃんと煩い伊之助に向ける時間など一秒だってありはしないのだ。


「どけどけェ! 宇髄様のお通りだ!!」


 まきをと須磨に雛鶴と合流するよう伝え、天井穴から飛び出した天元は速かった。
 高笑いしながら屋根を走る様は乱れることなく、地上を全力疾走するように駆けていく。


「くそォ速ぇ!!」


 その後を追いかける伊之助は苛立ち気味に。
 更にその後を追う善逸は気絶しているのか、鼻ちょうちんをぷかぷかと浮かべながら目を瞑り走り続けていた。






























「チュ!」

「こっち? こっちでいいのっ?」


 天元が帯を追って走り出した頃。蛍もまた裸足で外を駆けていた。
 肩に乗った筋肉鼠が指さす方向へと。

 影鬼により忍獣である鼠と合流を果たすことはできたが、天元の姿はまだない。
 小さな前足で鼠が指さす方へと駆け出すも、それは異能帯が飛んでいった方向とは違う。


「本当にこっちに天元がいるの? 帯が向かった方じゃなくて…っ?」

「チュ…っチュゥ」

「え? ど、どっち?」


 問えば、鼠自体も迷っているのか頭を抱えてあちこち見渡す始末。


「チュチュ!」

「わっ」


 そこへ蛍の肩に乗る鼠の姿を見つけたのか、足元に別の個体が走り着いた。
 チュウチュウと互いに会話するように鳴く姿は愛らしいものだが、如何せん何を言っているのかまるでわからない。

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