第20章 きみにより 思ひならひぬ 世の中の
照れ臭さは残る。
ただ嫌ではない。
寧ろそのままずっと浸っていたくなる。
溺れるような想いの波に、心を浚われて。
(これ、好きに、なりそう)
柔らかな焔色の髪に埋めた腕を、緩やかに頸へと回した。
甘ったるい程の愛を吐く。
傍から見て羞恥が募るものならば、傍から見る余裕などない程に目を釘付けにしてしまえばいい。
くるおしい程に愛おしい。
炎の灯火を持つ彼だけを、ただ。
「…っと、」
「ん…?」
「もっと、言って」
それだけで。
何十回、何百回とも紡ぐことができる気がした。
「…君を、」
「貴方を、」
何千回とも。
この先、ずっと。
「「 愛 し て る 」」