第2章 【忍たま】愛が重くてごめんね【R15】
「面白いや、まだ意識を保ってられるんだね。天女はなかなか死ねないけどそこまで意思が固い子は初めてだなぁ」
「そこの方、死ねなくなったので助けてもらえませんか」
「えーそれはいいんだけどさ、もしかして私が誰だかわかってないの?これでも他の天女には人気あったのになあ」
音も立てずに目の前に黒い影が現れる。黒い忍び装束に、顔を隠す白い包帯。そうか、貴方は…
「貴方は………ちょっと粉もんさん」
「そう、私がちょっと粉も、って違うよ!?」
「すみません、一度やってみたくて」
「何なの君…」
「とりあえず血が止まらないのでどうにかお願いできます?」
「割と無茶言うよね!?…私がツッコミに回るなんて…」
ぶつぶつ良いながらも応急手当をしてくれるちょっと粉もんさん改め雑渡昆奈門さん。…そっか、私は生きなきゃいけないのか。痛みは感じるのにどこか現実感がないこの世界で生きるのか。
「…トリップは想像していたよりハードモードでした、なんて」
「…君さあ…もうちょっとシリアス感出さない?」
「善処します」
「それ絶対やらないよね…」
これからの未来なんてみえない。きっと考えられないくらい辛いものになるだろう。それでも私は…
「…あの子の為なら頑張れる」
それほどまでにあの子を愛しているのです。