第2章 【忍たま】愛が重くてごめんね【R15】
気づいたら知らない森にいた。
山賊みたいな奴らに襲われている子を助けた。
その子は私の好きなアニメに出てくる一番好きなキャラクターだった。
…ここまでならありがちのトリップだったんだけどなぁ…
私は今その子に刃物で刺されている。
「っ…天女は……殺さないとっ……皆が…コワレちゃう…っ…」
……私より前にトリップしてきた人はいったい何をしたんだ。この子を、こんなに追い詰めるなんて、狂わせるなんて。
刺された私は結構冷静だった。痛くて熱い傷口よりも、この子にこんなにひどい顔をさせている、それが何よりも辛い。
前にトリップしてきた人たちも、こんな世界を造った神様(笑)も、そして自分も、消えてしまえばいいのにと思った。私たちが存在しなければ、この子は皆と一緒に笑っていられたのだろう。
この子の笑顔を奪ったモノ、そんなモノは消えればいいのに。
「…ごめんね、もうすぐ消えるから」
「は…?」
「貴方は私と出会ったことを忘れなさい。…ごめんなさい、貴方の手を、汚してしまって」
私は最期の気力を振り絞り、森の奥へ向かって歩き出した。這いずるといった方があっている気がする。とにかくこの子から離れなければならないのだ。私はこの子の笑顔を奪っている。私は存在してはいけないモノだったのだから。
呆然とするあの子を置いて私は森の奥へと進む。誰にも見つからない所までいって野垂れ死んでしまえばいい。後は森の動物たちが片してくれるだろう。あぁ、私の命が他の命のためになるなんて、素晴らしい最期じゃないか。
「…ここら辺でいいか」
手近な木にもたれかかり、自分の命が消えるのを待つ。なんだか眠くなってきた。きっとそろそろなのだろう。
いつかあの子に、笑顔が戻りますように。
そんなことを思いながら目を閉じ―
「君、変わった娘だね」
―れなかった。