第3章 愛しい約束…
彼女は、泣き続けた。
僕の腕の中で──彼女の気が済むまで。
『──…沖田さん、』
沖田「なに?」
『私──…』
沖田「…?」
『私…いつかまた、沖田さんに会いに来ます…。』
沖田「…」
『父上の"こと"が終わったら……必ず、会いに戻って来ます。』
沖田「…それは──約束?」
『はいっ…!!』
沖田「ははっ。…分かった、約束ね…」
泣き止んでも、僕の腕の中にいる彼女──。
キミは、僕に優しい微笑みを見せて
もっと愛しく想わせるんだ…。
そんなキミは、ズルいと思う。
沖田「絶対に、戻ってきてね」
『はい。絶対に…必ず、戻ってきます。』
涙を一筋、頬に伝わせながら、
笑顔で言った。
【さよならは言わない。
ありがとうだけ、言っておきます。】
その時のキミの笑顔は、
そう言っているような気もした。