• テキストサイズ

【薄桜鬼】おかえり、僕のお姫様…。

第13章 それを返せ!


 
 


沖田「さて、と。もう一回読もうかなぁ」

『っ?何をですか───て、えっ!??』



手に持っていた茶碗を置き、
にっこりと笑いながら、懐から"何か"を出す沖田さん。

そ、それは…っ!!



『ど、どうしてっ…返したんじゃないんですかっ!?』



沖田さんが今、手に持っているのは…

土方さんの元に返ったはずの、"豊玉発句集"の冊子。
どうやって取り返したのだろう?



沖田「ん?ああ、あれは偽物だよ。本物を、そんな簡単に返すわけないでしょ?」



すり替え…。
その言葉が、私の脳裏をよぎった。



沖田「よし、それじゃあ読もうか」



黒い笑顔を私に向け、沖田さんは音読し始める。





───大声で。



沖田「水の北ぁ~っ、山の南や春の月~っ!!」

『ちょ、ちょっと沖田さんっ!?』



そんな大声で喋ってしまったら、土方さんに聞こえてしまうかもしれないのに…っ

命知らず、とは、まさに沖田さんのことだろう。
と、私は思った。



沖田「露のふる~っ、先にのほるや~稲の花~っ!!」

『っ沖田さ…』



そぉぉおおおおじいいぃぃぃぃっ!!!!!!!!!



『っ!?』

 
/ 154ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp